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【検証なき日銀】日銀匿名座談会 「企画局ファッショ」に反感=編集部

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日銀内部は分裂しつつある Bloomberg
日銀内部は分裂しつつある Bloomberg

 ◇クロ派とシロ派の内部確執

  

 黒田日銀は4年目に入ったが、内部の不協和音は消えそうにない。(編集部)

 

── 黒田総裁をどう評価するか。
現役行員X 私は行内で「シロ派(白川方明前総裁支持)」と見られているが、黒田総裁は、今の金融政策で、インフレ率2%を達成できると本気で信じているのが、怖くてしかたないと言う人は少なくない。

日銀 たぶん彼は本気だ。黒田総裁をよく知る財務省の大物OBは「財務省時代から金融政策が万能だと信じていた」と言っていた。
日銀 ただ、黒田総裁は日銀にできなかったことをしたのは事実で、プロパー行員は完敗した。白川前総裁は、2001~06年の量的緩和後に、「量的緩和に景気浮揚効果はない」と結論づけた。自分で足かせを作って、それに縛られた。
日銀 「古いアカデミズム」が支配していた白川日銀時代から脱したのは評価しないといけない。
財務省Y 黒田総裁のサプライズに頼る手法は、通貨マフィアの習性が抜けていないと省内で言われる。
── 内部はどう変わったか。
日銀 トップダウンの強引さが鮮明になったと内部の人に聞いた。
日銀E マイナス金利導入を決めた1月29日、日ごろから銀行と付き合いのある金融機構局は、明らかにうろたえていた。金融機関の収益悪化に関わる重要な政策なのに、ほとんど知らされていなかったようだ。
日銀 黒田総裁の懐刀の雨宮正佳理事と内田真一企画局長のラインで政策が固まるため、「企画局ファッショ」と揶揄(やゆ)する声もある。
日銀 「企画局暴走」という感じでしょう。

日銀 内田局長は、企画課長在任期間が日銀史上最も長いエース。白川前総裁が局長に抜てきした彼が今では、異次元緩和策の柱とは。
現役行員X オセロで言えば、クロ派(黒田総裁支持)が総裁はもちろん、副総裁、理事、企画局という「四隅」を取った状態。シロ派は干されているが、みんながみんなクロに裏返ったわけではない。現場は戦々恐々としている。
日銀 中曽宏副総裁は昔、マイナス金利は効かないと言っていたのに1月の金融政策決定会合で……

(『週刊エコノミスト』2016年4月19日号<4月11日発売>35ページより転載)

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この記事の掲載号

週刊エコノミスト 2016年4月19日号

定価:620円(税込)

発売日:2016年4月11日

週刊エコノミスト 2016年4月19日号

 

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