特集:踊る経済統計
◇政策効果表れぬ政府の焦り
◇日銀vs内閣府「GDP大論争」
桐山友一
(編集部)
経済統計をめぐり、政府・日銀で新たな指標づくりや既存の統計の見直しなどの動きが活発化している。日本経済の実力である潜在成長率の水準が下がる中、発表されるわずかなデータの違いが、政策判断や市場に及ぼす影響は高まる一方。そればかりでなく、経済政策の「成果」としての数値が、政権の評価として選挙の結果すらも左右しかねない。だが、現実の経済の「真」の姿とは、そもそも把握が難しいもの。一足飛びの妙案はそう簡単には生まれない。
ピックアップ
経営者:編集長インタビュー
◇平岡昭良 日本ユニシス社長
◇社会問題をITシステムで解決する
── 2017年3月期は増収増益の計画です。好調な事業は。
平岡 コンビニなどで売っているプリペイドカード向けのIT(情報技術)システムです。アマゾンやアップル、グーグル、任天堂、DeNAなどのサービスで使うプリペイドカードは現在、約100種類あり、その約5割は、当社が提供するカードの発行元と販売元をつなぐ仕組み(プラットフォーム)で動いています。プリペイドカード市場は、米国では10兆円規模になり、まだ統計がない日本でもインターネットで買い物する市場が拡大するなかで伸びていくとみています。
── そのビジネスモデルは。
平岡 プリペイドカード事業が好調なのは、カードが普及すればするほど、当社の手数料収入が上がるビジネスモデルにできたのが大きいです。つまり、普及しなければ赤字プロジェクトになるため、お客様と同じ方向を向くことができます。
ワシントンDC
◇北朝鮮の外貨獲得手段
◇労働者海外派遣の今後は
会川晴之(毎日新聞北米総局長)
北朝鮮が9月9日、1月に続いて今年2度目の核実験を強行した。日米韓3カ国は、国連安全保障理事会でさらなる制裁措置を北朝鮮に科す方向で精力的に調整を進める。