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FLASH!:電通の虚偽請求 2016年10月11日特大号

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記者会見で謝罪した電通の中本祥一副社長(中央) 共同通信
記者会見で謝罪した電通の中本祥一副社長(中央) 共同通信

 ◇不正ではなく不適切と強弁

 ◇広告主第一主義はどこへ

 

池田正史(編集部)

 

 広告代理店最大手の電通が、インターネットの企業広告で「不適切業務」があったと発表した。判明しただけで、広告主111社から受注した633件、取引総額は約2億3000万円。まったく掲載していないのに契約金額を請求していた悪質な例も14件、約320万円分あった。9月23日に発表、謝罪したが、約1時間15分の記者会見の中で、電通の「尊大」な企業体質が透けて見えた。
 電通の発表によると、不正があったのは、パソコンやスマートフォンの画面に表示される「バナー広告」や、動画が流れる「動画広告」。利用者がアクセスするサイトの傾向や、検索実績などをもとに、関心に合う広告を画面に表示する仕組みになっている。新聞、テレビなどの広告と違い、クリック数や動画を閲覧された回数といった露出度から広告料が決まる。特に作業が高度、複雑にもかかわらず、恒常的に人手不足の状態にあったという。

 今年7月、広告主のトヨタ自動車から「掲載されているはずの期間に広告が掲載されていない」との指摘があり、社内調査を開始。記録が残る2012年11月以降の広告について調査した結果、掲載期間のずれ、未掲出、運用の虚偽報告、架空請求が相次いで見つかった。
「クライアント側から誤りを指摘するのは難しいと思うが、なぜ気がついたのか」との質問に対し、山本敏博常務執行役員は「個別のクライアントの話なので、具体的なことは申し上げられない」と口を濁した。
「間違いの内容を聞いている。クライアントは関係ないのでは」とさらに追及され、中本祥一副社長は「掲載に対する効果を期待していたが実効性がなく、『正しく露出されているのか』という疑義が発端となったと聞いている」と明かした。
 電通は、指摘を受けたクライアントについて、「トヨタ自動車」と発表していない。「指摘したクライアントはどこか」との質問に、「個別のクライアント名は申し上げられない」と繰り返したものの、トヨタ側へ取材した記者から「トヨタ自動車では」と問われ、認めた。


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