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【検証なき日銀】食品値上げラッシュ=藤沢壮

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 ◇ガリガリ君25年ぶり、食卓塩24年ぶり

 大半はコストプッシュ型

 

藤沢 壮

(編集部)

 

 アイスの「ガリガリ君」を25年ぶりに値上げした赤城乳業。社員一同が値上げを“謝罪”するテレビCMを4月初めに流した。「2013年から一気に原材料が高騰」(赤城乳業マーケティング部)し、企業努力が限界に来た。

 味の素も「クノールカップスープ」を33年ぶりに値上げした。2社が値上げする最大の理由は、輸入する原材料や資材の円安による急騰だ。

 世界的な資材高騰も大きい。タリーズコーヒージャパンは、14年ごろから加速したコーヒー豆の高騰を受け、「本日のコーヒーS」を10円値上げした。カゴメはトマト調味料6品を4~9%値上げした。原料のトマトペーストはこの2年で1・5倍の価格だ。中国をはじめとする新興国が買い付けを急拡大し、農産物の価格が世界的に上昇した。丸美屋食品工業、塩事業センターの一番の値上げ理由も同じだ。
 国内の賃金上昇によるコスト転嫁も起きている。あずきバーを24年ぶりに値上げす る井村屋は「全国の工場で時給を引き上げた」(井村屋グループ経営戦略部)。赤城乳業も、「夏場は特に人手不足で、埼玉県の深谷工場では近隣のホンダなど と人材の獲得競争になる」。丸美屋、タリーズなども人件費を上げた。運送業者の人件費高騰により、物流費もかさむ。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によ れば、非正規社員の賃金の対前年上昇率は、調査を開始した05年以降低迷していたが、14年に初めて2%台をつけ、15年も……

(『週刊エコノミスト』2016年4月19日号<4月11日発売>84~85ページより転載)

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この記事の掲載号

週刊エコノミスト 2016年4月19日号

定価:620円(税込)

発売日:2016年4月11日

週刊エコノミスト 2016年4月19日号

 

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