◇開発をリードするグーグル
◇撤退なら自動運転ブーム鎮静化
桃田健史
(自動車評論家)
グーグルが開発中の自動運転車「グーグルカー」は、道路状況を認識しながら運転を学習する人工能(AI)を搭載したコンピューターが、ドライバーに代わって運転し目的地まで運ぶクルマだ。
グーグルカーは、これまでに米カリフォルニア州の公道を、延べ300万㌔以上にわたってドライバーなしで走行している。グーグルは2011年、大手自動車メーカーに先駆けて自動運転の開発に乗り出した。
今、トヨタ自動車、独ダイムラーなどの大手メーカーが自動運転の市場投入時期を公表(表)、開発を強化している。
しかし、自動運転技術をリードしているのは、グーグルというのが自動車、IT業界の一致するところだ。
その理由は、グーグルが米国で自動運転に関する法整備に大きな影響力を及ぼしているからだ。自動運転の実証実験に対する規制をいち早く緩和してきた米国は、いわば自動運転先進国。その米国に影響があれば、各国の法整備にも影響がある。世界的な自動運転の開発競争はグーグルの一挙手一投足に影響を受けている状態だ。………