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ヤバイ投信保険外債 ファンドラップ

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◇“お任せ”にしては高いコスト

◇収益の大半を食う可能性が大

 

尾藤峰男(資産運用アドバイザー、びとうファイナンシャルサービス代表取締役)

 

 個人が金融機関にお金を預けて運用を一任する「ラップ口座」の残高が伸びている。ここ最近は「ファンドラップ」などの名称で最低投資金額が数百万円に引き下げられるなど小口化も進んでおり、金融機関が退職金の運用先などとして盛んにPRする。難しそうな運用を「プロに任せられる」という安心感が残高を伸ばす理由と見られるが、見落としがちなのがサービスにかかるコストである。現状ではサービスの水準に見合うとはいえず、個人の資産運用に向くとはとても言いにくい。

 

 ◇マイナス運用でもコストが

 

 日本投資顧問業協会によると、2016年3月末のラップ口座の残高は5兆7776億円と、前年同期比で48・2%増加して過去最高を更新した。ラップ口座は本来、5000万円程度以上の資産がある富裕層を対象とするサービスだったが、「ファンドラップ」と呼ばれる形へ小口化が進んだことで、14年ごろから残高が急増。最低投資金額は300万円程度までに低下している。また、1万円から購入できる投資信託にした「ラップ型投資信託」の新規設定や残高の増加も続いている。

 そもそも「ラップ」とは英語で「包む」ことを表すように、金融機関と契約して資産の運用や管理などを包括的に任せるサービスを指す。もともとは富裕層向けのオーダーメードのサービスで、顧客の生活設計などを踏まえて丁寧にコンサルティングし、あらかじめ取り決めた基本的な方針に沿って資産の運用・管理を一任するサービスだ。

 一方、ファンドラップは、その人の運用目的やリスク許容度をヒアリングし、株式や債券などからなるポートフォリオ(資産配分)の構築や運用先のファンド(投資信託)の選択、購入までを金融機関が代行する。運用の結果、事前に取り決めた資産配分にずれが生じた場合は、運用資産の売買などを通じて元の資産配分へ戻すほか、市場の動向に応じて資産配分の比率自体も見直すようになっている。

 問題は顧客が支払うコストの水準だ。


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