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【電通】生き証人インタビュー 電通と私3:中川淳一郎 2016年8月23日号

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◇電通なんて怖くない

◇一番強いのはネットになった

 

中川 淳一郎

(元博報堂社員/ニュースサイト編集者)

 

広告制作で電通の下請け仕事もしたという中川氏に電通マンの実像について聞いた。

(聞き手=後藤逸郎/大堀達也・編集部)

 

 インターネット上では、電通が巨大な力を持ち、メディアを通じて国民をコントロールしているとのうわさが流布しているが、実態はどうなのか。

 

―― 世間には「電通が暗躍している」という人がいる。

中川 暗躍しているというほどでもない。広告代理店は、所詮「御用聞き業者」。クライアントが一番強い。ただ、結果的にメディアコントロールをしているようなところはあると思う。例えば、雑誌の編集部からすると、電通に仲のいい人がいると書きにくい。次に会うときに嫌みを言われるのが嫌なのだろう。つまり、通は取引先が多い分、その圧力が通じる。

 しかし、電通が恫喝できるのは、メディアや下請けの制作会社だけだ。もし今、取材を受けている『週刊エコノミスト』の記事が電通の圧力で潰されたら、その証拠をネット上にさらして炎上させることもできる。

 あるいは、電通の傲慢な社員の名前を出して、「こんなにひどい仕打ちをされた」とツイッターで書く下請け制作会社の社員が一人でも出たら、電通にクレームが殺到する状況はすぐ作れる。一般の国民からすれば、電通なんて怖くない。ネットの方が強い。

―― 下請けに威張っているのか。

中川 電通の社員には、「世界一の広告会社」という自負がある。自分たちが「仕事をさせてやっている」という感覚。だから、スケジュールを変えるのは当たり前。私も電通の下請けの仕事をしたことがあるが、待ち合わせに電通の社員より遅れて着

くと、「チッ」と舌打ちされる。下請けに対して常に上位の立場を取り、服従させることで、いい仕事をさせる。「クライアントのために俺たちの言うことを聞け」というスタンスが、高圧的な態度になる。

 インターネット上では、電通が巨大な力を持ち、メディアを通じて国民をコントロールしているとのうわさが流布しているが、実態はどうなのか。…


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