◇1位は船井電機、2位がスバル…
◇52企業が北米比率30%を超える
伊藤桂一
(SMBC日興証券チーフクオンツアナリスト)
2012年後半から始まった円安傾向は、昨年中ごろの1ドル=125円台までずっと進み続けていた。この期間は基本的に米国経済も好調だったため、多くの日本企業の業績には、強い追い風が吹き続けていたと考えられる。今後、米国経済が減速し、円高が進行すると、日本企業の業績に大きな懸念材料となりかねない。
TOPIX(東証株価指数)を構成する1934銘柄のうち、北米での売上高比率が10%を超える企業は298社で15・4%、時価総額構成比では34・7%である。「時価総額の大きい企業は北米売上高比率が高い」という傾向が顕著である。北米売上高比率が10%を超えている銘柄は、電気機器、輸送用機器、医薬品、機械の4業種に集中している(図)。
298社中、この4業種だけで時価総額のおよそ3分の2を占めている。一方、情報通信や銀行、食料品などの内需系の業種、化学や鉄鋼など素材系の業種では北米売上高比率が低くなっている。
北米売上高比率の高い銘柄を見ると、トップは、テレビなど機器メーカーである船井電機が81・4%、次いでスバル車の富士重工業が60・1%、3位に自動車部品メーカーのエフテック(59・7%)が続く(42ページ表)。
売上高の5割以上を北米で上げているのが....
(『週刊エコノミスト』2016年3月8日特大号(2月29日発売)41~42ページより転載)
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