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ここが変だよ電力自由化:経産省vs電力業界 2016年3月1日号

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 ◇越境に消極的な電力会社

 ◇20年越しの駆け引き

 

(編集部)

 

「20年越しの宿題」。経済産業省は1990年代半ば以降、当時の旗振り役だった村田成二事務次官を筆頭に、改革派の官僚が自由化を仕掛けてきた。しかし、電力業界の抵抗にあい、なかなか進んでこなかった。

 今回、小売り部門の全面自由化や、2020年に予定される発送電分離にこぎつけることができたのは、福島第1原発事故を受け、東電をはじめ電力会社が打撃を受けたことが大きい。原発事故で国民の間にエネルギー体制の見直しを求める機運が高まったことも改革を後押しした。

 自由化によって、これまでの電力10社による「地域独占」と「総括原価方式」に基づく規制料金体系が崩れれば、電力会社が供給エリアを越えて競い合うようになり、企業や消費者にとってメリットにつながるというのが経産省の見立てだ。だが、元経産官僚の一人は「福島原発事故後にいったん弱まったとはいえ、電力業界の政治力は衰えていない」と指摘する。

 そうした状況が見て取れるのが、越境進出についての電力会社の動きの鈍さだ。2月16日時点で他社の供給エリア向けの料金メニューを発表した電力会社はまだ東電と中電の2社にすぎない。

 なかでも、関西圏と中部圏向けの料金メニューをいち早く打ち出すなど、東電の積極姿勢ばかりが目立つ。電力業界専門誌の記者は「実質国有化された東電は国が進める政策にいやおうなく付き合わざるを得ない」と説明する。「鼻息が荒いのは、国の意向を受けた数土文夫会長をはじめとする上層部ばかりで、営業現場の士気はなかなか上がっていないようだ」という。

 また、東電以外の電力会社が他エリアへの進出に及び腰なのは、………

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この記事の掲載号

定価:620円(税込み)

発売日:2016222

週刊エコノミスト 201631日号

 

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